
天王星の守護者「ニア」は、使命を背負った瞬間から一度も逃げようとしていない。
その使命の重さと義務、そして責任を理解していたから。
多くの者たちからの関心、応援、期待。
それらはニアにとっての力になるものだった。
しかし、天王星に「夜」が訪れ、光が消えていくに連れて、憎悪と絶望、そして悲哀だけが彼女に残されてしまった。
押しつぶされそうな責任感は、彼女を蝕み始めた。
私は、誰かを守るための人生だけを選ぶしかないのか?
私は、身に余る期待を背負い続けるしかないのか?
ニアは負の感情を抑え続けていた。
私は天王星の守護者、この星を守る者。
しかし、使命だけでは彼女の孤独を消すことができなかった。
私は、守護者であり続けられるのか?
孤独な感情は、やがて夜を招いた。
守護者としての誇りを失ったニアは、自分を責めたかった。
だが、自分を責めることすらできなかった。
負の感情は夜を招いてしまうから。
この青く美しい天王星を、彼女は守らなければならなかった。
一握りの光さえあるのなら、もう夜には飲み込まれないだろう。
光の空間が徐々に増えていった。
一人で守らなければならないと思っていた天王星は、もはや自分だけの責任ではなくなっていた。
天王星を守るという使命以外のものを、ようやく目にすることができた。
ニアの傍には孤独な戦いを続けている人がいたから。
孤独な星、月の守護者が。
背中を任せられる仲間は存在しないと思っていた。
しかし、自身が夜に飲み込まれた時も、リンは諦めなかった。
ならば今回は、自分が勇気を出すべき時だ。
友人から差し伸べられた「仲間」になろうという言葉に報いる時だ。
ニアは天王星が取り戻している光を見つめた。
リンにも光を与えてやりたかった。
ニアは、リンの隣に立つことを誓った。
リンは強い守護者だった。だからといって寂しくないはずがない。
自分が孤独から逃れられたように、リンの孤独を消してあげたいと願った。
そして、ついにニアはリンに気持ちを伝えた。
「私が、あなたを守る。」
ニアの心はあるべき場所を探していた。 リンのそばを守ろうとするニアにとって、これ以上迷いはなかった。
剣がこんなにも軽く感じたのは初めてだった。
剣はまるで軌跡をすでに知っているかのように動いた。
孤独が近寄れないように、ニアの剣はリンに近づこうとするすべての敵を斬っていく。
静かで暗かったニアの世界に「リン」という光が満ちていった。
ニアがその光を守る番なのだ。
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